安楽日記

生活、聴いた音楽、読んだ本について、書いています。

【HIPHOP】どうしてラッパーを起用したCMはクソダサくなってしまうのか

こんにちは。

アイオー安楽です。

 

皆さん年末年始はいかがお過ごしでしょうか。

私は、部屋の片付けをしたり、サウナに行ったり、音楽を聴いたり、友達と遊んだり、なんだかんだ楽しんでおります。

 

そして、先日、フッドのサウナに行くと、サウナ室に備え付けてあるTVから、PovoのCMが流れてきました。

聞いたことのある声がすると思ったら、テーマ曲をCreepyNutsが歌っているようです。

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そういえば、最近、日本のラッパーを使ったCMが増えてきたな〜と思いながら、最近のラッパーを使ったCMがいくつか頭の中に浮かんだのと同時に、どれもこれもダサいCMばっかりだな...と思ってしまいました。

という訳で、今回は「どうして日本のラッパーを起用したCMはダサくなってしまうのか」について、例を挙げながら考えてみようと思います。

 

ラッパーを起用した日本のクソダサCM

まずは、パッと思い浮かんだラッパーを起用したダサいCMをいくつか見ていきます。

 

KEN THE 390を起用したタウンワークのCM

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ガリを起用したブラックサンダーのCM

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フリースタイルダンジョン系ラッパーが起用されたどん兵衛のCM

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パッと思いつく限りですが、他にも沢山のラッパーを起用したCMがあります。

しかし、テレビで流れるようなCMには、微妙なモノが多い。

 

「○○さん!このワードはマストでリリックに入れてください!」と要求されている光景がありありと浮かぶ、いかにも広告代理店が考えつきそうな下品なCMです。

ラッパーも企業も誰も幸せになっていない、微妙なプロモーション施策が多いのです。

 

一人で見ても、共感性羞恥で死にそうですが、お茶の間にこれが流れてきて、「たかしが好きなHIPHOPのCMが流れてるよ〜」なんて、お母ちゃんから言われたら、恥ずかしすぎて顔が真っ赤になってしまいます。

 

KEN THE 390のCMを見ても、タウンワークに登録したくはならないし、ニガリのCMを見たところでブラックサンダーを食べたくはならないし、ERONEのリリックを聞いてもどん兵衛を食べたくはなりません。(ブラックサンダーどん兵衛は美味いですが)

CMで流れているラップ自体も、何度も聴きたくなるような類のものではありませんし、実際のところ、上に紹介した動画の再生回数はイマイチです。

 

出演しているラッパー側としては、一時的には、出演料でメイクマニできるので良いかもしれませんが、長期的なブランディングを考えると、賢い選択とは言えません。

KEN THE 390のように、CMラッパーとしてやっていくのであれば良いでしょう。

また、CreepyNutsのように完全にマス層をターゲットにしているようなスタンスであれば、正解かもしれません。

しかし、彼らのような道を選ぶことは、お茶の間のラッパー芸人として生きていく固い覚悟を持たないといけないので、それはそれで修羅の道を歩むことになります。

 

フリースタイルダンジョンで、T-Pablowが晋平太に対して、「クソダサいラップのCMしない」「腐っても鯛でいたいのが俺のスタイル」「一本100万のラップCM 俺オファー何本蹴った?」とブチギレていましたが、アーティストとして長期的に活動していくのであれば、T-Pablowのスタンスが正解でしょう。

彼にも、多くのCMのオファーが来ていたと思いますが、今後のブランディングを考えて、全て蹴っていたのだと思われます。

 

もし、T-PablowがタウンワークのCMや、どん兵衛のCMをしていたら、BADHOPはここまでプロップスを得ていなかったはずです。

仮にBADHOPのメンバーがタウンワークのCMに出ていたり、警視庁の大麻撲滅ポスターの仕事を受けていたら(これは論外ですが)、武道館のような大きな箱でライブするレベルまで大きくなることは難しいでしょう。

HIPHOPで食っていくというスタンスがブレブレになってしまうからです。

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引用:https://natalie.mu/music/news/328491

 

かっこいラッパーのプロモーションもある

ここまで、あまり成功しているとは言えない、ラッパーを起用した微妙なプロモーション(CM)を見てきました。

しかし、同じようにラッパーを起用したプロモーションの中でも、ラッパーのイメージも、コラボしている企業側のイメージも向上しているようなイケているプロモーションもあります。

 

例えば、KOHHとモンスター社がコラボしたプロモーションがあります。

このプロモーションは、モンスターの新しい味「モンスター パイプラインパンチ」(通称、KOHH味のモンスター)が発売されたタイミングで行われました。

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引用:https://okmusic.jp/news/amp/332374

 

このプロモーションは、KOHHの"I Think I'm Falling"のPVと一緒に行われました。

KOHH - "I Think I'm Falling" Official Video - YouTube

 

"I Think I'm Falling"の曲中でKOHHがモンスターについて触れる事は一切ありません。

PVの映像中に、自然な形でモンスターが一瞬映ったり、「モンスター パイプラインパンチ」のコンセプトである、南国のハワイでPVが撮られていたりと、あくまでも婉曲的にモンスターのプロモーションをしています。

 

しかし、PVで一瞬登場する、初めて見る色のモンスターを見た人は、「なにこれ!?」と思いますし、コンビニでこの色のモンスターを見かけたらとりあえず試しに買ってみるでしょう。

 

そして、SNSにその写真をあげて、それを見た人がまた買う、正のサイクルが生まれます。

実際に、このプロモーションは大成功し、この「モンスター パイプラインパンチ」は売れすぎて、一時発売中止になりました。

game.watch.impress.co.jp

 

現時点で、KOHHの"I Think I'm Falling"は、300万回以上再生されています。

曲自体が良いですし、PVも企業の押し付けがましさが全くないので、純粋に綺麗な映像とKOHHを楽しめます。

そして、私は、この曲を聴くたびに「KOHH味のモンスター」が少し飲みたくなります。

また、コンビニで「KOHH味のモンスター」をみると、"I Think I'm Falling"のメロディーが脳裏に過ぎり、曲を聞きたくなります。

恐らく、同じような感想を持つヘッズは多いと思います。

 

KOHH×モンスターのプロモーションは、アーティスト側も企業側も得しかない、非常に良いプロモーション施策の一例です。

 

KOHHの企業コラボは全部いい

そして、KOHHの企業コラボは上記のような、企業とアーティスト、どちらの印象も良くなるような掛け算型のプロモーションが多いです。

 

沖縄のレンタカー会社「セレブレンタカー」とコラボした"Taiyo"

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バーバーの「MR.BROTHERS CUT CLUB」とコラボした"Margiela"のPV

KOHH - "Margiela" Official Video|Bloody Angle Osaka × MR.BROTHERS CUT CLUB - YouTube


Vape Maniaとコラボした"CBD"

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"Taiyo"のPVを見ると、沖縄でいい車を乗り回したくなります。

"Margiela"のPVを見ると、MR.BROTHERSで髪をカットしたくなります。

プレステのCMを見ると、プレステでゲームをしたくなります。

"CBD"のPVを見ると、CBDリキッドを買ってみたくなります。

 

そして、車を乗っているKOHHやMR.BROTHERSに出入りするKOHHはめちゃくちゃかっこいい。

アーティストと企業のどちらもかっこいい、プロモーションが多いのです。

 

KOHHばかりあげてしまったので、最後にLEXとXLARGE×Reebokがコラボした"HAPPY(feat.Young Dalu)"のPVを紹介します。

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XLARGE×Reebokという、ストリートにゆかりの深いブランドとのコラボなので、当然といえば当然ですが、このプロモーションも企業×ラッパーの良い成功例です。

 

どうしてクソみたいなCMが出来てしまうのか

では、最初にあげたようなクソダサいCMはどうして出来てしまうのでしょうか。

それは、「日本の大企業はマーケティングが下手」だからです。

かつては、大きなメディア(テレビやラジオ、新聞など)に予算をかけて有名人に企業の商品の良いところを言わせておけば、それなりにモノが売れる時代でした。

 

商品やサービスの価格や機能性をひたすら消費者に対して、プッシュしていれば良かったのです。

 

しかし、それなりに物質的に豊かになってきた結果、現代は商品やサービスを購入することを通じて、「自己実現」することが求められるようになってきました。

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引用:https://innova-jp.com/marketing-merit/

この段階に来ると、「この商品はここがいいですよ!」とプッシュしたり、「このサービスは他社より安いですよ!」と言っても、消費者には響きづらくなってきます。

そして、一時期ステマが問題になったことや、ネット広告への嫌悪感から、商品やサービスを強くプッシュされると、消費者はその商品やサービスに対してネガティブなイメージを持ってしまう傾向があります。

 

去年、まこなり社長があそこまで炎上してしまったのも、プッシュの強いYouTube広告をぶん回してヘイトを集めてしまった事が一因です。

 

そのため、マーケティングの世界では、徐々に「雰囲気で売る」事が主流になってきています。

特にアメリカの企業では、それが顕著です。

NIKEのようなアパレル系は勿論のこと、Appleのようなガジェット系の会社でも、そのようなプロモーションをしています。

この企業・ブランドの商品・サービスを使うと、「なんとなくかっこいい」「なんとなくイケてる」という「イメージ」を広めている事が多いです。

 

しかし、テレビを見ていると、有名人を使って、自社の商品・サービスの良いところを叫ばせているようなCMが日本企業には非常に多いです。

その文脈を踏まえると、最初に取り上げたような、ラッパーのCMがダサくなってしまう事はしょうがない事かもしれません。

どん兵衛を作っている日清食品も、タウンワークを発行しているリクルートも、日本の大手企業です。

大手企業がCMを打つときには、大概みんなの知る大手広告代理店が関わります。

そして、あれらの会社のマーケティング手法は、かなり時代遅れです。

あまり頭を使わずに、馬鹿の一つ覚えのように旧来の手法を擦りまくっています。

ベンチャー規模の広告代理店の方が、遥かに頭を使って仕事をしているでしょう。

 

一方、KOHHと組んでいるモンスターは、母体がアメリカの会社ですし、MR.BROTHERSや、セレブレンタカーは中小企業に当たります。

先に挙げた下品な広告代理店は、関わっていないプロモーション施策だと思われます。

 

そういう訳で、決して、最初に取り上げたラッパー達がそもそもダサいから、あのようなCMが出来てしまった訳ではないのです。

組んだ企業・組んだ広告代理店が悪かっただけです。

決して、大手企業のCMに出ているラッパーがそもそもダサい訳ではないのです(大事な事なので2回言いました)

 

というわけで、今回は「どうしてラッパーを起用したCMがダサくなってしまうのか」について、考えてみました。

 

最後に、大麻はマジで依存性が強いし、人生が破滅するので、本当に本当に吸ってはいけません。

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        引用:https://natalie.mu/music/news/328491

 

動画もあるので、ちゃんとみてください。

みんなで大麻撲滅を啓蒙して、日本から大麻を無くしていきましょう。

www.youtube.com

 

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