こんにちは。
アイオー安楽です。
先日、ITmediaで次のような記事が公開されました。
こちらの記事では、育児メディア「HugKum」が小学生以下の子供を持つ保護者を対象に、お金事情についてのアンケート結果が紹介されています。
この記事では、「家庭の貯蓄額」や「世帯年収」などについて、アンケートが取られています。
「小学生以下の子どもがいる家庭」に聞いた貯蓄額 2位は「1000万円」、1位は?
という、記事タイトルの通り、あくまでも家庭の貯蓄額にフォーカスが当てられており、この記事を見た人の多くは、「1000万円も貯蓄がないのに子供を産むなんて信じられない!」「貯蓄の格差が広がっている事が問題!」というように、貯蓄額に焦点を当てている人が多く見られます。
しかし、私は貯蓄額よりも、記事内のその他のアンケートの結果の方が引っ掛かりました。
日本人のマネーリテラシーの低さが浮き彫りとなっているアンケート結果だったからです。
そして、その結果が貯蓄額の差となって現れているのに、記事では「では、私たちはどうするべきか?」が提案されていません。
正直、今回取り上げた記事は、扇情的な記事タイトルで釣って、不安感を煽るだけ煽って、解決策を提示しない、非常に不親切な記事だと思います。
恐らく、今回のITmediaの記事を読んだ方は、「今の自分の貯蓄額で教育資金は大丈夫だろうか?」と考えている方が多いと思います。
そのため、今回はこちらのアンケートから分かる問題点を取り上げると共に、「どうしたら教育資金を貯められるか」について、改善策を考えていきたいと思います。
教育資金はいくらあれば良いか?
まずは、教育資金がどのくらいかかるかについて確認しておきましょう。
フコク生命が出している、教育費に関する記事では、幼稚園〜大学までを全て国公立に通わせる場合は、約1,000万円がかかると書かれています。
そして、全て私立に通わせた場合には、約2,400万円がかかると書かれています。
大学まで通わせようと思うと、最低1,000万円は貯めないといけなさそうです。
更に、ここに食費や習い事代なども含まれてくるため、実際には1,500万円ほど貯蓄があると安心です。
しかし、これは子供の大学卒業までに貯められればいい額なので、子供が産まれた時点で、ここまで貯金しておく必要はないと思います。
今日から、今から、貯金を始めていきましょう。
それでは、本題である、ITmediaのアンケート結果について、考えていきたいと思います。
家計簿をつけている人の割合は41.2%
このアンケートによると、41.2%の人しか家計簿をつけていない事が分かります。
家計簿は、収支を把握して計画を立てるために必要不可欠なツールです。
いくら収入があって、何に対していくら使っているかを把握しないと、貯金をすることはできません。
今の時代、家計簿アプリにクレジットカードを連携しておけば、自動的に家計簿を作成してくれるので、手間もかかりません。
家計簿アプリを使用して、家計簿をつけている人は19.6%しかおらず、ノートに家計簿をつけている人が多いようですが、ただでさえ忙しい子育て家庭の方は、積極的に家計簿アプリを使って、少しでも時間を節約するべきです。
私はマネーフォワードという家計簿アプリを使っていますが、ほとんど家計簿の記録に手間はかかっていません。
現金を使ったときだけ、手入力すれば良いからです。
是非、家計簿をつけていない又は、ノートで家計簿をつけている方には利用してほしいアプリです。
収支を把握すると、不必要な支出が見えてきます。
貯金をするために、まずは家計簿をつけるところから始めてみましょう。
生命保険に加入している人が多すぎる
アンケートによると、60.7%の人が生命保険に加入しています。
未だに日本では「生命保険に入っていると安心」という迷信が蔓延っていますが、生命保険に加入する必要は全くありません。
生命保険に入る人は、「何かあった時のために家族が路頭に迷わないように」という理由で、入っている方が多いと思います。
「何かあった時」というのは、自分が病気になったり、死亡してしまうケースを想定しているでしょう。
しかし、日本は公的医療保険が非常に充実しています。
仮に月に100万円の医療費がかかったとしても、「高額療養費制度」があるため、自己負担額は9万円程度で済みます。
そして、仮に自分が死亡してしまった時には、家族には遺族年金が払われますし、そもそも子育て世代の20代〜40代が死亡する確率は非常に低いです。
このたった数%の確率のために、汗水流して働いた給料をドブに捨てる必要はありません。
「でも積立型の生命保険なら、貯金の代わりになるし積立金より増えた額が戻ってくるよ!」という声もあるかもしれません。
この認識は大きな間違いです。
貯金をするなら現金で貯金をして、運用するなら自分で運用する方が遥かにマシです。
保険はいざという時の備えにはなりません。
いざという時に自分を救ってくれるのは、手元の現金です。
そして、保険の利率は高くても1%程度である事が多いのですが、適当なインデックスファンドに投資しておけば固く見積もっても年利5%ほどで運用することができます。
保険会社は、集めた保険金をファンドで運用している事が多いのですが、あなたの保険金を運用した利益で、保険会社は儲かっているのです。
保険会社が年利5%で儲かっているのに、あなたには1%しか還元されない事実に怒った方が良いでしょう。
仮に生命保険で毎月1万円を年利1%で40年間積み立てると、その合計は約600万円です。
一方、インデックスファンドで毎月1万円を年利5%で40年間積み立てた場合は、その合計は約1,500万円になります。
その差額は、900万円です。
生命保険で積み立てている人は、この900万円をドブに捨てているのと同じ事なのです。
そのため、生命保険を積み立てるくらいなら、つみたてNISAで年利5%を見込めるファンドを選んで、積立投資を行った方が遥かにマシです。
学資保険もいらない
アンケート結果を見ると、学資保険によって教育費を貯めている割合が「43.1%」もいるという事が分かります。
学資保険も生命保険と同じく、利回りが低すぎて話になりません。
満期まで積み立てても、せいぜい6%程度が増えて戻ってくるだけです。
インデックスファンドであれば、1年間で増える可能性もある利率です。
我々はどうやって教育資金を貯めるべきか
生命保険と学資保険の平均的な月額は、それぞれ1万円前後は平均額です。
この2つを解約すれば、月々2万円が浮きます。
そして、家計簿をきちんとつければ、1万円ちょっとくらいの余計な支出が見つかるはずです。
こうして捻出した3万円をつみたてNISAを使って、満額で満期の20年間、運用しましょう。
年利5%で運用すれば、20年後には約1,300万円ほどになります。
そして、ここから教育資金は捻出すれば良いのです。
1人の子供を育てるくらいであれば、十分やっていける金額になるでしょう。
家計簿をきちんとつけて、生命保険と学資保険を解約して、きちんとした資産運用を行えば、十分な教育費が貯まるはずです。
給料の低さや、国の制度に不満を言うだけではなく、個人レベルでどうにかやりくりできる道を探していくのも、子供を育てる上で必要なスキルです。
最後に、マネーリテラシーを高める上でおすすめの本を紹介します。
1,000円程度の投資で、一生使えるレベルのお金に関する最低限のリテラシーを勉強することができるので、これを機に是非読んでみてください。
頼藤太希 高山一恵『1日1分読むだけで身につくお金大全100』
昨日出版されたばかりのお金に関する本。お金とうまく付き合っていくためのノウハウが、イラストを使って非常に分かりやすく説明されています。
今まで読んだマネー本で一番内容が分かりやすかったです。
両@リベ大学長『本当の自由を手に入れるお金の大学』
こちらも、非常に読みやすいお金に関する知識です。
お金の貯め方、稼ぎ方、増やし方、守り方について、分かりやすく書かれています。
今回の内容について、ご質問等あれば、コメント頂けると嬉しいです。
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