安楽日記

投資と生活について

モンドリアンのポスターを買った理由と、ミニマルアートについて

こんにちは。

アイオー安楽です。

 

今回も、週1買物についての記事です。

(本来は週1更新のはずが、最近サボってしまっていたため、過去の買物記録が溜まっています...笑)

 

週1買物について

私はここ数ヶ月、週に1回だけ買物をする生活をしています。

この買物とは、生活必需品や食品を除いた、嗜好品やすぐに必要ではない日用品の買物です。

 

この習慣によって、週に1回だけ吟味したアイテムを買うようになり、本当は必要ではない、無駄なものを買ってしまうことが、ほとんどなくなりました。

 

また、毎週「今週は何を買おうかな?」と、小さな楽しみを持って過ごすことができるため、精神的にもポジティブな効果が生まれています。

 

更に、定期的に生活を見直す機会を設けることで、少しずつQOLを向上させていくことができるのです。

 

それでは、2022年27週・28週に購入したものを紹介していきます。

(今回は2つで1セットなので、2週分の紹介です)

 

MoMAのモンドリアンCompotion No.Ⅲポスターとフレーム

今回、購入したものはMoMAで売っていた、モンドリアンのポスターと、ポスターを飾るためのフレームです。

引用:https://www.momastore.jp/shop/g/g0497608098339/

 

引用:https://www.momastore.jp/shop/g/g5713520000126/

金額は、ポスターは2,000円少々、フレームは5,000円ほどしました。

前々から、部屋にアートを飾りたいと思っていた事と、実用的で欲しいものは大体買ってしまったため、購入することにしました。

 

しかし、アートといってもそれこそ数え切れないくらいの作品があります。

数億円する有名な作品もあれば、今回のような、数百円、数千円で購入できるポスターもあります。

私は、アート作品の金銭的な価値より、その作品の思想的な価値や意味合いを重視しているので、部屋に飾る分にはポスターで十分かなと思っています。

そして、その中でもモンドリアンの作品のポスターを購入することにしたのは、いくつかの理由があります。

まずは、モンドリアンと彼がアートシーンに与えた影響について、振り返ってみたいと思います。

(美術については、人によって解釈が分かれるものもあるので、あくまでも私個人の見解として捉えて貰えれば嬉しいです)

 

モンドリアンの思想

モンドリアンは、ピカソらによって生み出されたキュビズムから影響を受け、抽象絵画を完成させたアーティストとして知られています。

 

キュビズムはこういう作品で、描く対象を単一の視点で描くのではなく、複数の視点から見たイメージを1つの絵に集約しようとする表現技法です。

引用:https://acrylicrab.com/cubism

描く対象は、多面的な構造から成り立っているのに、どうして一面的な視点からしか描いていないの?という、伝統的な絵画への逆張り的な発想から生まれた表現方法です。

キュビズムは、一見ふざけて描かれたような下手な絵に見えますが、複数の視点から対象を描いている点で、ある意味単一焦点から描かれた絵よりも、対象をリアルに描いているという考え方も出来るわけです。

 

かなり雑に述べると、ほとんどのアートや宗教、ファッションの新しい潮流は、その時々のメジャーな流れに対する逆張り的発想から生まれています。


モンドリアンは、このキュビズムに大きな影響を受けつつも、自分なりの表現を探していきました。

そこで、「新造形主義」という、赤・青・黄の原色と無彩色を組み合わせて、全ての絵画を抽象表現に落とし込もうとしたのです。

これまで様々な表現技法や、色の組み合わせによって、対象を描こうとしていた絵画へのアンチテーゼとも言えます。

 

この表現の完成形は、コンポジションと言われる、一連の作品です。

一見、原色と四角・線を使った単純な作品に見えますが、色の配色のバランスや線の太さなど、一つ一つの表現に非常に細かい計算がされていて、少しでもこれらのバランスが崩れると、全く違う印象になってしまうのです。

引用:https://www.artpedia.asia/piet-mondrian/

次々と足していくのは簡単でも、少ない要素で物事を表現するのは、簡単なことではありません。

このシンプルでありながら、緻密な表現技法によって、アートとして成り立ってしまうモンドリアンの作品が私は好きです。

 

そして、モンドリアンの作品を飾るなら、黒の直角のフレームしかないと考えていたので、上記のフレームを一緒に購入しました。

 

モンドリアンからミニマルアートへ

そして、モンドリアンが完成させた抽象絵画は、1960年代のミニマルアートへ受け継がれていきます。

ミニマルアートは、当時流行していたポップアートへの批判的な思想として登場しました。

 

ポップアートは、大量生産・大量消費の社会をテーマとした、大衆文化のイメージを芸術に利用したアートのムーブメントです。

 

ロイ・リキテンシュタインの作品なんかが有名です。

引用:https://www.artpedia.asia/popart/

私は、大量生産・大量消費的な価値観があまり好きではないため、このポップアートがあまり好きではありません(美術史に残した功績は置いておいて)

 

ポップアートへの批判から生まれたミニマルアートは、色彩が派手で情報量の多いポップアートの作品とは異なり、非常にシンプルな作品が多いです。

 

これは、ドナルド・ジャッドの作品です。

モンドリアンの提唱した抽象絵画を物質に転化させて、最小限の要素で抽象を突き詰めたような作品がミニマルアートには多いです。

引用:https://www.artpedia.asia/minimal-art/

少し前に流行った「ミニマリズム」という言葉も、元々は生活スタイルを表す言葉ではなく、実はこのミニマルアートから発生したものだったりします。

当然のごとく、ミニマルアートに逆張りするアートの流れもありましたが、なんだかんだコンセプチュアルアートや、もの派と言われるような、アーティスト達にミニマルアート的な思想は受けがれています。

 

もの派で有名な李禹煥の作品

引用:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/stars/03/index.html

 

また、最近は、工業製品にもミニマル的な要素が求められる傾向があり、ここ数年はiPhone等のガジェット類や、高級ホテルの内装なんかもゴテゴテとしたものではなく、シンプルでありながら魅力的なデザインが増えてきていると感じます。

引用:https://casabrutus.com/posts/85900

こういった最近私が好きな現代のアーティストや思想への系譜を辿ると、モンドリアンに辿りつくのも、モンドリアンの作品のポスターを買った経緯でもあります。

 

皆さんも、好きなアーティストの作品を部屋に飾ってみたり、好きなアートを探しに美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

また、美術館に行く前にざっくりとした思想の流れなんかを押さえておくと、より楽しめると思います。

現代アートについてのおすすめの本のリンクをいくつか載せておきます。

現代アートとは何か

 

 

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