安楽日記

投資と生活について

2023年3月に読んだ本ベスト5

こんにちは。安楽です。

 

今回は、2023年3月に読んだ本の中から、特に面白かった本を5冊紹介します。

 

ジル・チャン『「静かな人」の戦略書』

NPO団体で活躍する女性が書いた本。

本書によると、内向型(自分の内面にある思考や感情について時間をかけて考えることが得意な人)と外交型(対外的な人付き合いや活動が得意な人)の2タイプに分けられるみたいです。

 

そして、内向型の人であっても、仕事をする上では外交型的な動きを求められる事がしばしばあります。

本書では、「そんな時にどうしたら良いか?」「無理せずに内向型として他人からの評判を得る方法」について書かれています。

 

特に、性格別の上司・部下のマネジメント方法がかなり勉強になりました。

私自身、性格的には内向型でありながら、仕事では外交型的な役割をする事が多いため、仕事内容と性格の不一致に悩む事もありましたが、本書を読んでから「無理に矯正しなくていいんだ」と気が楽になりました。

 

メアリー・バフェット、デビッド・クラーク『バフェットの株式ポートフォリオを読み解く』

本書は、バフェットがこれまで買った会社を羅列して、それぞれどのような投資基準で投資しているかをまとめた本です。

 

ガイコやアメリカンエキスプレスのような、バフェットの代表的な投資案件については、知っている方も多いと思いますが、それ以外のバークシャーのポートフォリオに組み込まれている企業が、どのようなタイミングで、どのように選択されて来たかがよく分かる良書でした。

 

しかし、バフェットの投資哲学をしっかり学んでからでないと、中々理解し辛い部分もあるため、バフェット関連の本を数冊読んでから、読むことをお勧めします。

 

ヴィタリック・ブリテン『イーサリアム 若き天才が示す暗号資産の真実と未来』

イーサリアムの創案者、ヴィタリック氏の書籍。

イーサリアムを作った経緯や、投票による合意形成等、ブロックチェーンを触る上で必要不可欠な内容が存分に書かれています。

内容は少し難しいですが、頑張って最後まで読むことができれば、読んだ前と後で随分とブロックチェーンが目指す世界の解像度が変わってくると思います。

 

本書の中で、特に印象に残った内容について、私自身の備忘録として2つ紹介します。

 

ブロックチェーン技術のキラーアプリは「検閲耐性」

ヴィタリックは、ブロックチェーンにおいてキラーアプリは無いと断言しています。

キラーアプリとは、ある機器やサービスが大きく普及するきっかけになるような、もの凄く人気の高いコンテンツの事を指します。

 

例えば、スーパーマリオブラザーズは、ファミコンのキラーアプリです。

このように、一つのアプリで一気に世の中のあり方を変えてしまうようなコンテンツがキラーアプリです。

 

しかし、ヴィタリックはブロックチェーン技術にキラーアプリは登場しないと考えています。

仮に、既にブロックチェーン技術の方が圧倒的に有利な分野があれば、既にその分野がブロックチェーンに置き換わっているからです。

例えば、本当に実物のアートより、NFTアートの方が明らかに優れていれば、既に実物のアートなんて誰も買わなくなってしまうでしょう。

そうなっていないのは、NFTアートの方が優れている部分がありつつも、実物のアートにも優れている点があり、それを求める人がまだまだ沢山いるからです。

 

しかし、ヴィタリックはキラーアプリに近いものは既に登場していて、それは「検閲耐性」だと考えています。

「検閲耐性」は、特定の企業や国家が介入できない性質を指します。

 

例えば、ビットコインは適切に保管していれば、誰にも奪われる事はありません。

証券や銀行預金は国家が簡単に差し押さえられますが、ビットコインを押収することはできないのです。

この検閲耐性こそがブロックチェーンのキラーアプリだとヴィタリックは述べています。

裏を返すと、仮にブロックチェーンを使っていても検閲耐性がないものはキラーアプリにはなり得ません。

 

検閲耐性のないプロジェクトが氾濫

例えば、有名インフルエンサーが発行しているNFTには検閲耐性があるのでしょうか?

ブロックチェーン上で所有しているNFTは、誰にも奪うことはできないため、一見検閲耐性があるように錯覚してしまうかもしれません。

 

しかし、そのインフルエンサーが急にNFTのプロジェクトの開発をしなくなった場合、そのプロジェクトの価値は毀損してしまいます。

NFTの価値は下がり、誰もそのプロジェクトには興味を持たなくなってしまうはずです。

NFT自体に価値があるのではなく、そのトークンのユーティリティに価値があるのですが、それを意図的に混同しているプロジェクトが多く感じます。

 

このように、ブロックチェーン上で保有しているトークンであっても、真に検閲耐性がない場合は、簡単に第三者によって価値を操作され、所有している資産価値が目減りすることになってしまうのです。

一方、ビットコインは誰も発行枚数を自由に操作することはできず、送金を止めたり、他の人のビットコインを没収することはできません。

 

本来の意味で検閲耐性のあるプロジェクト以外は、ブロックチェーン上で構築する必要はないのです。

一時期流行った、多くのブロックチェーンゲームも同じで、そもそもブロックチェーン上で動かす必要のないものがほとんどでした。

ブロックチェーン上で動かす必要のないプロジェクトは、必然的にやがて誰も使うことがなくなると私は考えています。

Web2的な運営をした方が良いものができる可能性が高いからです。

 

良いプロジェクトの条件

ヴィタリックは良いプロジェクトの条件として、4つの項目を上げています。

 

○良いプロジェクトの条件

(1)特定の人物や特定の結果をメカニズムに組み込まない

(2)オープンソースで、誰でも実施を検証できるようにする

(3)シンプルにする

(4)頻繁に変更しすぎない

 

最近、NFT界隈ではWeb3、Web3と言いながら、上記の項目に何も当てはまっていない中身がスカスカのプロジェクトが増えてきていますが、遅かれ早かれ破綻すると考えています。

私は上記の条件に合致しないプロジェクには投資としては、絶対にお金を入れないことに決めました。

ただ、中々全てに合致するプロジェクトがないのが実情です笑

 

今後、より注目度が高まってくるであろう、Web3の概念についてきちんと学ぶことができる良書なので、今一番お勧めしたい本です。

 

橘玲『シンプルで合理的な人生設計』

短期的な利益を求めるのではなく、長期的な利益を求めてアクションを取っていこうね!という本です。

私自身も2年くらい前から、短期的な利益に踊らされるのではなく、投資も日常生活も長期的利益を考えるように思考をスイッチして、仕事・プライベートにおける選択がかなり楽になりました。

 

本書では「どうして長期的な利益を求めたアクションが合理的なのか?」という答えに対して、様々な研究結果によるエビデンスを提示してくれます。

それらの参考文献には面白い本が沢山あるので、是非読んでみてほしい一冊です。

 

峰浪りょう『少年のアビス』

閉塞感しかない街で過ごす少年とその周囲の人々を描いた漫画。

かなり憂鬱な展開が多いので、自分のメンタルが安定していない時は読まない方が良いかもしれません。

登場人物が漏れなく貧困か性欲で人生を狂わされていて、やっぱり経済的自立と禁欲は最優先に取り組む事項だなと再認識させられました。

まだ完結していないので、続きが気になります!

 

 

以上、2023年3月に読んだ本ベスト5でした。

気になった本があれば、GWのお供にでも手に取ってみてください!

 

前回の記事はこちら↓

mitibatacul.hatenablog.com