安楽日記

投資と生活について

実物もNFTアートも所有しなくて良い

こんにちは。安楽です。

 

先日、以前購入したモンドリアンのポスターを手放しました。

モンドリアンの絵が好きで7,000円ほどを払って購入しましたが、私には必要がないと思い、手放すことにしました。

今回はポスターを手放した理由と、アートを所有する意味について、つらつらと書いていきたいと思います。

 

ポスターを買った時の記事はこちら↓

mitibatacul.hatenablog.com

 

手放した理由

・アートは実利を産まない

モンドリアンのポスターを手放した理由は、一言で言うと「持っていてもQOLが上がらないから」です。

よく「部屋に絵があった方が精神的にポジティブな効果がある」と言われることが多いですが、私は絵を飾ることで生活が豊かになったと感じることは一度もありませんでした。

 

それどころか、何も利益を生み出さない7,000円が壁に貼り付けられているように感じられました。

7,000円でも年利10%で運用をすれば、長期運用をすることでそれなりの資産になります。

一方、壁に貼り付けられた7,000円は1円も利益を生み出しません。

そこで、オークションサイトで数千円で売却することにしたのです。

 

「利益を生み出さないのはポスターを買ったからで、本物を買えば値上がり益が狙えるじゃないか」と思う方もいるかも知れません。

しかし、安い無名作家の絵は値上がりするどころか無価値になってしまうのが、ほとんどですし、モンドリアンのような数億円する絵を買うのであれば、その資金を株式で運用した方が遥かに豊かな生活を送れるでしょう。

 

アートは実利を産まないし、アートに実利を求めてはいけないのです。

実利を求めるのであれば、アートではなくて金融資産を買った方が良いのです。

 

・絵を飾っても飾らなくても好きなものは好き

私はモンドリアンのポスターを買った時、彼の思想を所有するような気持ちで絵を飾っていました。

部屋に飾ることで、後のミニマルアートに繋がるモンドリアンの哲学を忘れないようにしようと考えていたのです。

彼の最小限の要素で事象を成り立たせるような表現技法は、私の生活スタイルにも相通ずる部分があり、その生活スタイルを崩さないためにも、モンドリアンの絵を飾っていたのです。

 

しかし、絵を飾った後も手放した後も、モンドリアンの絵や彼の思想を好きな気持ちに変化はありません。

絵を見たくなったら、Webで検索すれば見ることができます(しかもタダで)

 

私は、資産性や流動性の低いアートを持てるほど資産に余裕はありませんし、浪費家でもありません。

金利で暮らせるくらいになったら、アート作品を買っているかもしれませんが、今はまだそのステージにいないと思っています。

 

NFTアートについて

さて、最近NFTという技術を使って、「デジタルアートを所有しよう!」という動きが活発化しています。

私はNFTの技術自体には可能性を感じていますが、ほとんどのNFTアートは無価値だと考えています。

https://www.artmajeur.com/ja/magazine/2-atonyusu/burumubaguniyoruto-nft-haponjisukimunisuginai/332398

現状、NFTアートは投機的な目的で売買されている事が大半です。

中には長期に保有するコレクターのような人もいますが、ごく一部のユーザーを除いてほとんどの人が短期的な値上がり目的で買っています。

作者の思想や作品のクオリティは二の次です。

マーケティングに秀でていれば、作品(絵)のクオリティはどうでも良いという状況です。

 

そのため、最近は「価格が上がりそう」という期待感をいかに養分に抱かせるかという、あまりよろしくないマーケティング競争になっています。

元々知名度のあるインフルエンサーや、アフェリエイターが猛威を奮っているのもこういった事情があります。

 

最近よく見るNFTのプロジェクトは、このような手順で価格を釣り上げていきます。

 

①利益目的でのNFT売買は親殺しの罪より重いと洗脳する。

②作品をガチホしてくれそうな信者にWLをばら撒く。ここの選別が超大事らしい。

③市場での流通が開始されたら、安くリストしているホルダーを叩きまくる。これがうまくいくと右肩上がりに価格が上昇していく。

④「まだまだ上がるぞ!」と期待感を煽り、純度の高い養分にNFTを買わせて価格を釣り上げ続ける。

この間に「アニメやゲームを作ります!」と具体的なプランを掲げて、期待感を倍プッシュすると尚良し。

 

上記の手順をうまく行えば、ギャンブル中毒者や情報弱者のような「数万円を払う余力のある頭の悪い人」を巻き込んで、NFTの価格は数十万円程度まで上がっていきます。

 

しかし、価格が数十万円までいくと、「数十万円を払う余力のある頭の悪い人」を大量に呼び込む必要があります。

ここの壁を突破するのはなかなか難しいです。

数十万円をすぐに払うことができる人は、ある程度きちんと資産形成をしている堅実な人や、仕事で稼いでいる頭の良い人だからです。

そのため、実用性皆無のNFTをわざわざ買おうという、頭の悪い人がなかなかいないのです。

 

そういった事情もあり、上記のスキームでは、ブルーチップNFTと呼ばれるような、数百万円のプロジェクトを作ることはなかなか難しいと思います。

しかし、「私たちは国産ブルーチップのプロジェクトを作ります!」と言い続けているのが、昨今の国内NFT界隈でよく見る光景です。

 

私はもう少し実用性のあるプロジェクトが出てきたり、長期保有できそうなものがあれば、NFTにも触っていきたいなと思っていますが、今はまだ良いかなと思っています。

 

外野から見たかなり雑な感想なので、気に触る方がいたらごめんなさい。

 

そんな訳で、実物もNFTアートも私は所有をしなくて良いかなというお話でした。